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有限会社 小野美術印刷所
  代表取締役/小野 清
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合同会社説明会の企業資料コーナーに玩具・プラモデルメーカー・バンダイの “ガンプラ” のパッケージが置かれているのを見た人は、「プラモデルの箱を作ってる会社だな」 と思われたかもしれません。
もちろん、印刷・製函をしている会社ですが、それだけではないのです。
今回は実際の事業内容や人材に対する考えなどを、小野社長にお話し頂きました。
●パッケージ(化粧箱)の印刷・紙器加工・包装
●主力はプラモデル及び玩具の印刷・組立・包装

■社名に “美術” という字が入っていますが、社名の由来について教えてください。
  昔印刷と言えばスミ(黒)一色が普通でしたが、当社は戦前・戦中頃には珍しかったカラー印刷を手掛けていたので、“美術印刷所”という名前にしたようです。今で言う“美術=ART”としての意味があったわけではないのですが、他にも社名に美術の字が入っている会社は当時は結構あったんですよ。県内でもまだ数社ありますしね。

■御社は、印刷の中でも、特に得意分野があるそうですが、事業の概要について教えてください。
  当社の一番の特徴は、パッケージ印刷に特化しているということですね。初期は普通の印刷物を扱っていましたが、プラモデルとの出会いから、徐々にパッケージ印刷にシフトして行きました。
  静岡にはたくさんの模型会社があり、戦後まもなくの頃、青島文化教材社さん(模型会社)の竹ひごヒコーキの袋を作ったことがありましたが、その後、初代が今井科学さん(模型会社)の創業時にその社長と出会い、パッケージを作ってくれないかと言われ、作り始めたのがプラモデルと出会うきっかけになりました。
  現在では、ほぼ100%と言っていい程、パッケージ印刷に特化しています。印刷後の箱組みから、メーカーから入荷するプラモデル商品本体の中身を箱の中にパッケージングする作業までを、一貫して行っています。


■最終的に出荷される状態にまでするということですね?
  そうですね。普通はこういった最終工程を外部の会社に任せるということは、なかなかありませんよ。そう簡単にどこにでも出来るというものではありませんから。パッケージ印刷とアッセンブリーを分業していることはあっても、1社でここまでやっている会社は、たぶん当社しかないと思います。現在はバンダイさんの印刷9割、アッセンブリー7割を担っています。ガンプラは国内でしか生産しないという品質重視の方針ですから、高い信頼を得ている分、責任は重大です。こういった信頼や責任を全うしていくためにも、優秀な人材を必要としているんです。

■社風や会社の雰囲気など、教えて頂けますか?
  あまり上下関係がない会社ですね。組織のあり方が緩い部分があるのかもしれませんが、社員をがんじがらめにしたくない、自由な雰囲気を大切にしたいという思いはあります。まだまだこれからの会社だと考えてもらえれば良いのですが。組織で固められて命令で仕事をするような人は必要ないと思っています。だから、自分で考え自主的に行動できる人に期待していますし、学生さんにも管理されるような人にはなるな、と言いたいですね。

■将来展望について教えてください。
  あくまでもパッケージの路線は続けていきたいと思っています。現在大半がプラモデルですが、食品や雑貨などその範囲をもっともっと拡げていきたいと考えています。包装・出荷といった、今後メーカーさんがやりたがらないような部分をやらせて頂くということです。“印刷”という社名がついていますが、印刷もやっていますよ、という事業内容になっていくと思います。だから将来的に社名は変わることになるでしょうね。

■弊社主催の合同会社説明会にも社長自ら参加して頂いたのですが、なかなか学生さんに人気があるようで、ブースが賑わっていたように見受けられましたが、新卒採用は以前からされていたのですか?
  以前は高校生を中心に採用を行っていました。途中から専門学校以上で中途採用を始めたのですが、本格的に新卒の定期採用を始めたのは昨年からです。やはり職業観がしっかりしていないと、就職しても長続きしませんね。
  女性の採用も積極的にできればと思います。パートさんがたくさんいますので、その人たちを管理できる人材が必要です。実は80歳半ばのパートさんが1人いまして、もうそれ程の働きはできないんですが、辞めてくださいとは言いません。公平に物事に対処してくれますし、今までたくさんのパートさんを育ててくれたという評価をしています。人材を大切にしたいという思いは常に持っています。

■人材観について、どのような人物を求めているか教えてください。
  大企業のように教育体制などがきっちりと整っているわけではないので、私たちは残念ながら手取り足取り全てのことを教えることができません。ですから、自分で何を掴み取るかを常に考える必要があります。自分で何かをしようという意欲を持っていれば、能力があるかどうかは問題ではありません。自分で考えて改善や工夫をしていければ、仕事も楽しくなると思います。
  コミュニケーションがとれることも大切ですね。当社は工場が4カ所ほど分かれていますが、その工場間でもコミュニケーションをちゃんと図っていかないと物事は円滑に運ばないし、外部に依頼する仕事もあるので、そうした所とも意志の疎通を図らないといけない。
  あと、基本はやはり人間性の誠実さですね。企業の偽装とか不正とかがあちこちで取りざたされる時代ですから、そういう誠実な部分が今後益々重視されてくると思いますよ。当たり前の事なんですが、この当たり前さ、が大切なんですね。

■採用にあたって何か心掛けていることがありますか?
  いちばん怖いのがミスマッチだと思っています。説明会も大人数ではやらないんですよ、せいぜい3人位。工場も全部自分で案内して丁寧に説明して回ります。いざ入社してもすぐに辞めてしまったら、もちろん会社にとって損失ですが、その本人にとっても損失ですよね。何十人も採用するわけではないので、一人の欠員でも大変なことですから、それだけは避けたい。だから会社の全部をちゃんと見てもらって、納得して入社してもらえるように心掛けています。実は面接を4回も5回もやった学生さんもいましたけどね。

■HPにリンクがあった、フリースクール「元気学園」という所に協力をされているそうですが、そのことについて教えて頂けますか?
  引きこもりや不登校といった人達の社会復帰の実習の場を提供しています。あと色々なことの手助けをさせて頂いています。コミュニケーションが苦手な人達は、みんなが社会復帰できる訳ではありません。当社で行っているアッセンブリーそのものは危険性の非常に低い作業ですから、将来的には、そういった人達が働けるような工場を作れたら良いなぁと思っています。

■就活中の学生へのメッセージをお願いします。
  ミスマッチがないように、しっかりと企業研究してください。会社を選ぶまでは迷っても良いけれど、一度決めたら脇見をしないで、3年間は頑張ってみてください。そうすれば、何かが見えてくるはずです。その中で自分らしさを見つけられれば良いし、それでも自分の本質と違うと思ったら、それは仕方ありませんからね。



“2007年「新日本様式」100選に、ガンダムプラモデル ザクシリーズが選定されました”事務所入口に掲示されたポスター。(「新日本様式」協議会は、経済産業省の提言に基づき(経済産業省施策の具体化を図るために)設立された組織で、「新日本様式」100選は、日本の伝統文化と先端技術を融合し、国際競争力を高める商品として、「新日本様式」協議会によって選定されているものです。)

社長室の棚には人形などの飾りに混ざって、たくさんの表彰盾が。かつてバンダイで表彰制度があった時代、生産大賞などのトップ表彰を何度も受けたそうです。
SJCのスタッフも小野社長とガンダムを囲んで。

事務所に飾られた1/12サイズ(高さ約150cm)のガンダム。音声が出るタイプのものは、受注生産で35万円だったとか…
こちらは1/12サイズの赤ザク。19万円也。来社された人達が喜んで記念写真を撮っていくそうです。

 


小野社長、本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

ユーモアのある、ざっくばらんながらソフトで気さくな語り口。一つの話題が大きく膨らんだり、いろいろな方面に脱線したりと、楽しくお話を伺うことができました。
72歳とは思えない、キリッとした出で立ちの小野社長。趣味は何ですか?との問いに「釣りが好き、アユ釣りです。シーズン中はウズヴスして仕方がないですよ。川のコンディションが良くない、天気が悪い、仕事が忙しくて時間がとれない…、でも釣りに行きたい、そういう時が良いのかもしれませんね。だから、たまに出掛けると、釣果が良くなくても満足して帰ってこれるんです。」との事。
ゴルフも趣味と実益(接待)を兼ねて楽しみながらやっているそうです。



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