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◆御社の事業について教えてください。 当社はレジャービジネス、お客様に“遊び”を提供する会社です。 “遊び”を提供すると言ってもいろいろありますね。ゲームセンターもそうだし、ゲーム機を作っている会社もある。ディズニーランドのようなテーマパークもあるし、釣具屋さんみたいに道具を作ったり売ったりするのもそうですね。 そうした中で当社は、1つはアミューズメント事業、もう1つはリゾートホテル事業を行っています。メインはアミューズメント事業で、“パチンコ楽園”を静岡県を中心に東京・神奈川・埼玉・千葉に16店舗展開しています。 当社は創業から40年以上の歴史がありますが、10年以上、20年以上継続している会社は、そう多くはありません。売上は1100億円あります。静岡県内で1000億円の売上がある企業もそうたくさんはありませんので調べてみると企業研究の参考になると思いますよ。当社の一番小さい店舗でも1日の売上が1500万円あるのですが、同業他社と比較して、1店舗あたりの売上が非常に高いのが特徴です。密度の濃い経営をしているということです。当社は大きい店舗だと5000万円の売上がありますが、店長は26歳ですよ。 ◆1日に5000万円ですか! それも26歳の店長とは驚きです。 店長は全てを任されていて、とても大きな権限を持っています。やっていることの規模・内容はとてもスケールが大きいんですよ。先日大手ファーストフードの店長をしている35歳の方とお話をしたのですが、1店舗の売上は1ヵ月で1000万円だそうです。単純に数字の比較をするのは難しいかもしれませんが、当社では若くても努力次第で責任ある仕事をどんどん与えています。 将来展望としては、今後5年間に10店舗程増やし、年商3000億円を目指しています。 ◆御社の強みや特徴は同業他社と比べてどうのような部分にあるのでしょうか? 当社は無借金経営の、安定経営の企業であるという点です。財務態勢に余裕があるので、お客様が楽しめるようにパチンコ台のクギを当たりが出やすく調整することができます。余裕がないところでは、こういうことは出来ません。 もう一つの大きな特徴はソフトが充実していることです。オリジナリティのある景品を開発したり、独自のイベント、例えばクリスマスに有名シェフに依頼してケーキを作ったり、その他にも内容が充実したアイデアをどんどん、しかも素早く出して、それを実現しているのです。去年好評だった企画が今年も良いとは限りません。お客様をあきさせない新しいアイデアを出すのはとてもたいへんな事ですが、みんな努力をしていますし、若い人たちのアイデアも内容次第でどんどん採用しています。 ◆リゾートホテル事業について教えてください。 浜名湖畔の三ヶ日に所有している3000坪の土地に、5年後のオープンを目指し、リゾートホテルを建設するプロジェクトが進んでいます。寅さんの映画ロケが行われたこともある、風光明媚なところです。ここは 「新横浜ラーメン博物館」 や 「GUSTO」、最近では 「NINJA AKSAKA」といった話題の施設を多数手がけてきた、空間プロデューサーの相羽高徳(あいば たかのり)という方にデザインをお願いしています。とてもアイデアが豊富かつユニークな方で、素晴らしいデザインが出来上がってきています。 現在、そうしたイメージの実現に向けて様々な方面との調整を進めているところです。 当社では中途半端な施設を作るつもりはありません。テレビや雑誌のパブリックで何度も取り上げられるような、話題性が豊富な仕掛けのある、お客様に心から楽しんで頂けるようなものを作りたいと思っています。 ◆入社後はどのような業務を担当するのですか? 新卒の方達は、将来の幹部候補として採用しています。入社後1年で“幹部”としての扱いになります。一番やってもらいたいのが人材マネジメント。幹部になるということは、部下を持ち、その人たちの上に立ってリーダーシップを発揮し、人材を育成していくことです。そのなかでサービスに対する考え方を徹底的に伝えていってもらいたいのです。 当社ではこの仕事を“接客サービス業”として捉えています。リッツカールトンホテルとか、ディズニーランドといったような、質と志の高いサービスを提供しているところに研修として幹部を派遣して、おもてなしの心、ホスピタリティーを勉強してもらったりしています。 ◆教育体制について教えてください。 入社前に5日間の社会人マナー研修があります。入社後3ヶ月間は、順次様々な研修に参加して知識をどんどん身に付けてもらいます。そして各店舗に配属されると、そこでは先輩社員に付いてOJT教育(on the job training-職場内教育)が行われます。 アルバイトで接客業務をしたことのある学生さんは多いと思いますが、サービスとは何か?という所まで考えている人は少ないと思います。 私が、あるホテルにいた時、タバコが切れてしまったとします。「タバコの自販機はどこですか?」と従業員に聞きました。従業員Aさんは自販機のある場所を丁寧に教えてくれました。Bさんは「何の銘柄をお吸いですか?」とたずね、すぐにその銘柄のタバコとライターを届けに来て「お代は伝票に付けさせて頂きますのでお吸いください」と言って置いていきました。Aさんはマニュアル通りの“答える”サービスなので、受け答えが丁寧でも、そこには感動がありません。Bさんは“応える”サービスで、相手の気持ちを察する気配りや心がありますよね。 そういうことを自分から仕掛けていくことが必要なんです。 接客業でなくても仕事はすべてサービスのようなものです。例えば上司に書類のコピーを10部取るよう頼まれたとします。気配りの利く人なら「これは会議資料だ」といったことを判断し、配りやすいように綴じて渡してあげるでしょう。プラスアルファの気付きがそこにはありますね。人間関係もこうした心が大事です。 ゲームなどはマニュアル通りに進めていけば目的地に辿り着けます。しかし社会に出ると、目的地までのプロセスは自分で作っていくものです。マニュアルはありません。指示待ち族はダメ、KY(空気読めない)もダメですね。 川崎の店舗は従業員が100人いますが、10人の幹部が90人のアルバイトを教育し動かしています。1人の従業員の接客が良くなかったことで、そのお客様が二度と来なくなることもあります。一人ひとりが会社の看板を背負っていますから、全ての従業員が質の高い接客ができるよう指導していく、これが幹部の仕事として重要な部分です。 ◆どのような人材を求めていますか? 接客業ですから、人としゃべったりコミュニケーションをとるのが好きな人、明るく元気で積極的な姿勢の人が良いですね。何か資格が必要だとかいうことはありませんし、もちろん学歴も関係ありません。その人が持っている人間性を重視しています。 ◆女性の採用についてはどのように考えていますか? 今、男女比率は6対4位です。女性は積極的に採用していますし、今後も力を入れていきたいですね。業務面も待遇面も男女区別はありません。女性でも仕事を続けていけるように育児休暇といった制度も整えています。 ◆就活中の学生にアドバイスをお願いします。 パンフレットや広告ホームページなどは、その企業の良いところだけを見せて、都合の悪いことは書かないものです。大手だから有名だから安心だという時代は終わりました。一方で名前を知らないような小さな企業でも、ここでしか出来ないことをやっていたり、内容は一流というところはたくさんあります。本質を自分自身の目で耳で確かめて捉えることが大切です。 ぜひ当社に来てください。サービスの哲学を一緒に学びましょう。
私は就職活動を始めたばかりで、今回訪問させていただいたアミューズメント業界もほとんど表面的な知識しか持ち合わせていないままお話をうかがわさせていただきました。しかし、田中さんのお話をうかがいながら、サービス業の奥深さや魅力に引き込まれていきました。中でも、サービスとは「答える」ものではなく、「応える」 ものなのだ、というお話は強い印象として残っています。 データやキャッチフレーズからでは分からない 「企業の哲学」 に触れることができました。それは自分の働くイメージを膨らますことへと繋がります。 又、現場で働いている方々とお話し、学べる事は、就職活動という狭い枠のなかでの経験に留まらず、日々の生活や、身近な人間関係、自分の在り方などを考え直すきっかけにもなります。これから就職活動をする上で、「就活」 という特権を最大限利用し、出来る限り各業界(企業)の 「生の空気」 が感じられる場面を作っていきたいなと強く思いました。 今回の訪問では、「生の空気」 に触れる面白さに加え、アミューズメント業界の重要性を改めて実感しました。 田中さんは、本当のサービスとは、お客様を 「すべて同じお客様」 として接するのではなく、 「一人一人のお客様」 として心を持って接していくべきだとお考えでした。マニュアル化が進む現代において、 「本当のサービスとは何なのか」 という命題を投じ続けるレジャー業界(アミューズメント業界)は、これから社会がもっとも考えていかなければならないテーマを背負っている重要な業界なのだということを感じました。アミューズメント業界という業界に対し、まだまだ偏った知識しか持っていない人も少なくないかもしれませんが、表面的な部分ではないこの業界の可能性を一人でも多くの人に知って欲しいと思います。